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映画の感想や解説を主に、音楽や生活についても書きます。

ライアン・レイノルズの出演作を一気見!(サブスク限定) - その②(ペーパーマン / ヒットマンズ・ボディーガード / あなたは私の婿になる / [リミット] / ライフ / ゴースト・エージェント/R.I.P.D. / 6アンダーグラウンド / 黄金のアデーレ 名画の帰還)

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前回の続きです。一部修行の気持ちで一気に鑑賞したよー。愚痴に近い酷評感想もあるので注意。記事の最後に今回紹介した映画のおすすめランキング書いてます。

 

 

 


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ペーパーマン

(原題:Paperman / 2009年製作 / 110分 / キーラン・マーロニー、マイケル・マーロニー監督 / アメリカ)

アメリカでの公開時には日本ではスルーされ、2016年のデッドプールの公開時にライアン・レイノルズがヒーロー役をしている作品とのことでDVDが発売されたみたい。ライアン・レイノルズはスランプ最中の主人公の小説家のイマジナリーフレンド、キャプテン・エクセレントとして登場します。これねー、いかにも2000年代後半によくあったアメリカインディペンデント系の良い人間ドラマ風なんだけど、決定的に苦手な部分があって好きになれなかった。(以降、観ていないとわからない感想なので、ただの愚痴と思って欲しい)①主人公リチャードが途中で「なぜ俺たちは子供を産まなかったんだ!?」と奥さんに罵る場面。この後奥さんに「あなたが子どもだからよ!!」と厳しく叱られるのだが、擬似的にもエマ・ストーン演じる高校生、アビーという「子ども」との能動的な接触で成長を遂げようとする姿が気持ち悪すぎる。②最後に主人公リチャードとアビーが若干プラトニックな関係を超えてしまう。無理。③イマジナリーフレンドにも自我や意志がありそうなところがこの映画の一番ユニークな部分なのに、そこを活かしておらず、ラストに主人公は40年も一緒にいたキャプテン・エクセレントに大した御礼なども言わず「消えろ」という始末。アビーと主人公は似たもの同士だから理解し合い、惹かれあうというのも、私にはちょっと理解できなかった。というのも、アビーが精神疾患を患っていて、イマジナリー・フレンドがいる理由はしっかり語られるのだが、主人公の中年男に関しては、彼が抱える痛みや傷(イマジナリーフレンドが居る理由)が何なのかよくわかないため、主人公がアビーとの交流を通じて癒され、「成長」を遂げた理由もよくわからないのだ。(彼は孤独とはいえ結婚できているし、社会的にはそこそこ成功している。本人が口にするように自ら創作の為に不幸を演じているだけ、不幸になることを選んでいるだけと、本当の傷や人間関係の靄を抱えたアビーを見て気づいたとは言えるかもしれない。とはいえこれはかなり優しい解釈をしているだけで、主人公の過去やバックグラウンドについてももう少し言及すべきなはずなのだ。)
あとなぜアビーは貰ったスワンの手紙を海に流してしまうのか?リチャードとの交流や思い出を水に流す必要はないし、それがアビーの人生の仕切り直しになるとは思えないのに…。(イマジナリーフレンドとの思い出のものを海に流すのならわかるのだが)

良かった点:エマ・ストーンは、本当に演技が上手。こんな映画のために…とすら思ってしまう。ライアン・レイノルズは登場シーン少ないものの、やっぱりガタイが良いのでヒーロー姿が似合うし、ラストの中指立ててるカットだけでも見た価値はあった。あのシーンのgif、探してます。

 


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ヒットマンズ・ボディーガード

(原題:The Hitman's Bodyguard / 2017年製作 / 118分 / パトリック・ヒューズ監督 / アメリカ)

ライアンレイノルズ×サミュエル・L・ジャクソンのバディもの!Netflix制作。CIA出身のSPが、元カノの思し召しで、自分も何度も殺されかけたことのある伝説の殺し屋の援護をすることに!どこまでも追ってくる敵を相手に殺し屋が陳述する予定の裁判所にタイムリミットまでに到着できるか!?というお話です。市街地でのアクションの見せ場が何度もあり、迫力があって楽しい。ライアン・レイノルズがヘルメットをしており明らかスタントの箇所もあるのだが。(まあでも彼のキャラクターは性格的にヘルメットをするタイプだ。シートベルト厳守だし) バディものとしても犬猿の仲→命懸けで守り合うようになる過程が観ていてノってくるところなのだが、何分、サミュエル・L・ジャクソンのアッカンベー具合がどうも苦手だった…これはわたし個人の好みの問題と思う。サミュエル・L・ジャクソンは全く年齢を感じさせないパワフルさではあるのだが、もう少し若いキャスティングの方が良かったかなー。良くも悪くも色んなイメージがつきすぎているので。ライアン・レイノルズのバディものならレッドノーティスのドウェイン・ジョンソンの方がケミストリーを感じた。あと炎や爆発のCGが何故か安っぽく見えたな。まあでも万人におすすめできるアクションコメディではある。既に公開している続編も見たいが、Netflixでは配信されなさそう?

 


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あなたは私の婿になる

(原題:The Proposal / 2009年製作 / 108分 / アン・フレッチャー監督 / アメリカ)

バリバリキャリアウーマンのサンドラ・ブロックと彼女の秘書役ライアン・レイノルズのラブコメものですよ〜!ラブコメとかやるんだ。サンドラ・ブロックが可愛いわんちゃんを抱えて右往左往するところ、The Officeのオスカー役のオスカー!のストリップシーン、ライアン・レイノルズのいきなり結婚を告げられた際の困惑顔&お祖母様に「お父さんと仲良くするのよ」と言われた時の本気で思ってなさそうな*1「I will.」で500億点出てる。ただ同時に欺瞞家族、欺瞞故郷、欺瞞恋愛ものでもあり、私の人生にこういうラブコメ(ラストにくっついて終わり)はもう1秒たりとも要らないなと思うきっかけになった…。2009年の映画という時代性もあるだろうけど。最近見たサンドラ・ブロックチャニング・テイタムの「ザ・ロスト・シティ」も同じような感じで正直サンドラ・ブロックにうんざりしてしまったな…。

 


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[リミット]

(原題:Buried / 2010年製作 / 94分 / ロドリコ・コルテス監督 / スペイン)

原題はBuried、「土に埋められた男」ですね。95分間、主人公のライアン・レイノルズ以外は声でしか登場しないシチュエーションスリラー。目が覚めたら棺に入った状態で埋められていてどうしよう!?というお話です。公開時に日本でも話題になっていたので見た覚えはあります。こういう主人公以外電話の声でしか登場しない映画は他にもトム・ハーディの「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」なんてのもありましたね。そっちは映画館で眠くて泣きそうになった覚えがありますが、本作は密室の中でのカメラの位置、カットの仕方、光源や色彩、編集など工夫が成されていて観ていて飽きないし、ストーリーそのものはイラクで働いているアメリカ人主人公という設定にすることで、アメリカの人質対策への皮肉にもなっているのが個人的には好印象です。同じシチュエーションだったら自分はどう行動するだろうか。ラスト、主人公は何を思い、光を見て、絶望しただろうか。ライアン・レイノルズほどの大男が楽々入り、少しは身動きが取れる棺ってどんなよ!!

 


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ライフ

(原題:LIFE / 2017年製作 / 104分 / ダニエル・エスピノーザ監督 / アメリカ)

こちらも劇場公開時も観に行ったので、2回目の鑑賞。当時はジェイク・ギレンホール目当てでした。火星から生命体を採取し、ISSで育てていたら、火星人は超攻撃的だった!?というこちらもある意味シチュエーションスリラーですね。火星人のクリーチャーの造形をクールに現代っぽく、そして物語や演出のトーンも一貫してクールに描ききっており、一流の役者たちの演技も加わって、B級っぽい内容に反してウェルメイド感が出ているのだが…登場人物の人間関係をもっと掘り下げられそうだったし、それによってもっと物語の厚みやエモーションが生まれそうなのに、その辺の描写が足りないので、ただ表面とそこで起こっている出来事をなぞっただけの作品になってしまっているのが残念。ただ、ジェイク・ギレンホールの最初の登場シーンの子犬感が最高に好きなのと、ライアン・レイノルズのユーモアに救われた。この2人のインタビュー動画が最高に面白いので、是非見て欲しい。ベイビーパンダ!(なぜか日本語版は途中までで残念)

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ゴースト・エージェント/R.I.P.D.

(原題:R.I.P.D. / 2013年製作 / 96分 / ロベルト・シュヴェンケ監督 / アメリカ)

またまたバディもの。ライアン・レイノルズもよく自虐しているように興行的に大失敗したことで有名な本作だが、観てみると、そんなに目に見えて悪いわけではない。やりたいことはバディもののゴーストバスターズといったところで、特に序盤はワクワクしなくもない。(テンションが低いため、以降こういった部分否定の文章が続く)特にケヴィン・ベーコンはその存在感と溢れ出るフェロモンがさすがで、一番セクシーな男ライアン・レイノルズを飲む勢い。それにバディ役のジェフ・ブリッジスの現代にfit inしている西部の男の言動が楽しい。(現世では金髪ナイスバディ女性の姿という設定で、ナンパされた際に「私の体は男の欲望を満たすためにあるわけじゃないわ」と投げ返したところと、主人公に言葉の刃で傷つけられたと突然歌い出すところとか大好き)ただ、この映画の最大の欠点は主人公の魅力のなさ、主人公が主人公なり得る理由が薄いことだ。正直ほぼ無いと言ってもいい。作品全体としては凡作程度の出来なのにライアン・レイノルズ自身が自虐するのもこれが理由だろうと思う。あと、CGが変なわけでは無いのに、悪霊たちと世界とのリアリティラインが変な感じで違和感あった。

 


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6アンダーグラウンド

(原題:6 Underground / 2019年製作 / 128分 / マイケル・ベイ監督 / アメリカ)

これ、めちゃくちゃ好きだった!!「キレた億万長者」のライアン・レイノルズが特殊能力を持ったハズレものたちを集めて、世界の本気の悪者(今作ではトゥルギスタンという国の独裁者)をやっつけてやるぞ〜!というケイパーものですね。とにかくアクションが満載で、特に冒頭20分間のカーチェイスシーンは「え!?始まったばっかりなのにここまでするの!?クライマックスレベルのやつじゃん!!」という感じでアガるし、個人的には超久しぶりにデイヴ・フランコを見て、やっぱりお兄ちゃんに似てるな〜 なんてことを思いました。本作の特徴は、資金面を担っている億万長者の「ワン(One)」も現場に出て戦うし、その頭脳を生かして作戦を進めていくところですね。金持ちの道楽、偽善ではないのだ。彼は頭脳派なので、メンバーに対しても損切り意識が高いのだが、一緒に過ごしていくうちに葛藤しながらもその考えを改めていく様子にニコニコになりました。この役とライアン・レイノルズの組み合わせが大変よかったです。相変わらず映画ネタギャグ満載なのでこれは彼のアイディアでしょう。彼らの作戦は荒唐無稽で馬鹿げているように思えるかもしれないが、しかし彼らは真剣に世界を良くするためなのだと信じている。やっぱり私マイケル・ベイは嫌いになれないんだよなあと思い知らされた。アルマゲドンとか、やっぱり泣けるし最高じゃん?今作もメンバーみんなクールだし、キャストも良い布陣で、何時間でも観ていられるよこれ〜と思いました。Four役のベン・ハーディー、ナイスだったというメモを残しておきたいです。あとアクション映画はなんでイタリアロケをよくやるのだろう…。これは必ず続編お願いしますね…。


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黄金のアデーレ 名画の帰還

(原題:Woman in Gold / 2015年製作 / 109分 / サイモン・カーティス監督 / イギリス・アメリカ)

実話ベースとは言え、タイトルでネタバレしているので最後になってしまいました。「ナチスに奪われたクリムトが描いた伯母の肖像画返還を求め、国を訴えた女性の奇跡の実話。」(GAGA公式サイトより)です。最初は金目当てで仕事を受けていた弁護士ライアン・レイノルズが依頼主マリア(ヘレン・ミレン)とオーストリアに行ったことで自分のルーツにも触れ、マリアの願いが自身の願いともなっていくところがよかったですね。また、ナチに追われた過去の映像と現在の映像が交互になる箇所も違和感なく、全体的に無難な作りといったところ。法廷ドラマ部分はもっと盛り上げても良かったんじゃないかなとは思いますが。ナチが奪った美術品はまだ10,000点も奪われたままらしいです。弁護士役のライアン・レイノルズ、新鮮でしたね。借りてきた猫みたいでした。ダニエル・ブリュールはドイツの真田広之的な立ち位置ですか?

 

はい、今回(2022年6月現在)サブスクで観れたライアン・レイノルズ出演作は以上です!(正確にはブレイド3もありますが、3しかないので許してほしい…)

総括するとすれば、ユーモアに富み、肉体的にも無敵だが、過去のトラウマなどにより心に傷があり、何をしでかすかわからない男の役が似合うなと思いました。

プロデュースの才能もあると思うので、これからの作品に期待ですね。あとインタビューの動画など、素の姿でも超funnyでnice guyなので大好きになりました。

今回紹介した作品たちをおすすめ順にランキングすると下記の通りです。

  1. フリーガイ
  2. デッドプール
  3. 6アンダーグラウンド
  4. レッド・ノーティス
  5. デッドプール2
  6. アダム&アダム
  7. ヒットマンズ・ボディガー(ここまでがおすすめ!)
  8. ライフ
  9. [リミット]
  10. あなたは私の婿になる
  11. 黄金のアデーレ 名画の帰還
  12. ゴースト・エージェント/R.I.P.D.(ここまでは楽しく観れる)
  13. ワイルド・ギャンブル(ここから、修行)
  14. ペーパーマン
  15. グリーン・ランタン

結局「グリーン・ランタン」が最下位になるしかなかったですね、思い返して「あそこがよかった!」という部分が全くなかったので…。毎晩毎晩ライアン・レイノルズを観るのが習慣になりつつあったので、もうしばらくアマプラでレンタルできる作品は観るかもしれません。それでは!チミチャンガ!


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*1:演出などではなく、彼の演技に感情こもってないだけです。彼は時々サイコっぽく見えるのはなぜ…。その資質ゆえ「ハッピーボイス・キラー」にも出ているのだろうが…