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映画の感想や解説を主に、音楽や生活についても書きます。

ライアン・レイノルズの出演作を一気見!(サブスク限定) - その①(フリー・ガイ / アダム&アダム / レッド・ノーティス / デッドプール1&2 / ワイルド・ギャンブル / グリーン・ランタン)

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ここ5~6年ほど、好きな海外俳優を聞かれたらアダム・ドライバーロバート・パティンソンと答えるのが定番になっている。(女優に関しては多すぎて特別好きな人を挙げるのが難しい)この2人はアート系のインディペンデント作品からみんな知っている大バジェットものなど、幅広い作品に出演しており、彼らの作品だけ追っていれば最近の海外映画の流れを追える上、ハズレが無いので推している。

最近また1人好きな俳優が増えた。ライアン・レイノルズだ。もちろん以前から存在は知っていたが、Disney+で鑑賞した「フリーガイ」が大変大変素晴らしく、調べたところ、彼が脚本にも関わっているというではないか!もしや天才か?と思い、サブスク(Disney+、NetflixAmazon Prime)で鑑賞できる彼の出演作を片っ端から観ることを決意。感想を書きまとめていくことにした。

※私が鑑賞した順です。

 


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フリー・ガイ

(原題:Free Guy / 2021年製作 / 115分 / ショーン・レヴィ監督 / アメリカ)

これが超超超素晴らしいんだ。オンラインゲームというエキサイティングな題材をセレクトしており、誰でも楽しめるファミリー映画でありながら、そこに描かれるテーマは「自由とは何か」「選択できる自由の喜び」「今ここにあるリアル」など哲学的なもので、それを現代的な要素を駆使して、それこそ誰にでもわかりやすく、実感できるように描いている。映画のパロディやオマージュ、メタ的な要素もたくさんあり、この辺りはライアン・レイノルズ印と言えるだろう。「恋はデジャ・ブ」「メッセージ」「her」「エターナル・サンシャイン」など、私のオールタイムベストの映画たちの系譜にある作品の1つと言っても過言でないレベルですき。Don't have a good day, have a great day! 

 


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アダム&アダム

(原題: The Adam Project / 2022年 / 106分 / ショーン・レヴィ監督 / アメリカ)

「フリー・ガイ」のショーン・レヴィライアン・レイノルズが再度タッグを組んだSF作品。Netflix配信限定。タイムパラドックスもの。主人公アダムが過去に戻り、幼い自分、そして幼くして亡くした父と再会することで自分自身を許す物語。粗がないわけではないが、「お話」としてのSFの力を十分に活かした脚本で観ていて楽しい。ライアン・レイノルズをメインにした記事で何を言うのかという感じだが、マーク・ラファロは何故いつでもこんなに素晴らしいのか?声が好きなのか…

 


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レッド・ノーティス

(原題: Red Notice / 2021年 / 118分 / ローソン・マーシャル・サーバー監督 / アメリカ)

この映画のライアン・レイノルズ、良い!!辛い過去を持ちながらも、ユーモアに富んだ美術泥棒役で、後述のデッドプールに次ぐはまり役だと思う。ロック様(ドウェイン・ジョンソン)とワンダーウーマンガル・ガドット)の嫌味にすら感じる人間としての完璧さをライアン・レイノルズがうま〜くクレンズしてくれているのだ。お話は国際指名手配(レッド・ノーティス)を受けた泥棒たちとインターポールによる国際規模の追いかけっこと言ったところで、ド派手なアクションも豊富、どんでん返しの騙し合いも飽きさせない作りになっている超一流エンタメなので、是非金曜日の夜にワインを片手に観ることをお勧めする。こちらもOnly on Netflixです。

 


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デッドプール

(原題: Deadpool / 2016年 / 108分 / ティム・ミラー監督 / アメリカ)

言わずと知れたライアン・レイノルズ出世作。おいおいこれ観てなかったのかよと言われそうだが、下ネタ満載のおバカなおふざけヒーローもの(キックアスのクロエちゃんみたいな可愛くて強いヒロインも特に出てこない)と聞いてなんとなく避けていた。が、これ、超超超決まってるね!!デッドプールのユーモアは辛い過去を持つ彼の生きる術そのものになっている構造が上手いし、その根幹にあるストーリーは普遍的なラブストーリーで、誰の胸も打つものでもある。バイオレンス描写も容赦なく、コンパクトにまとまっていてとっても満足度が高い。メタ描写も好きだな〜。X-MENのプロフェッサーに会わせるぞと言われたときに「マカヴォイ?スチュアート?」と言うセリフはなぜかツボにハマってしまって涙が出るほど笑った。そして127時間のSoiler Alert! (ネタバレ) スーパーヒーローものではサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演版のスパイダーマンがオールタイムベストだが、その次点で好きと言ってもいいな、好きです。

 


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デッドプール2

(原題: Deadpool2 / 2018年 / 120分 / デヴィッド・リーチ監督 / アメリカ)

お祭りお祭り。1よりX-MENシリーズの中の一作と言うテイストが強めに感じた。デップーが集めたカッコ付きのヒーロー集団「X-フォース」がかなり最悪な形で一瞬で全滅するところがこの作品の最大瞬間風速だったと思う。物語のためにヒロインをXXしたように思えてそのラストも首を傾げてしまったが、後にデップー本人が"冷蔵庫の女"とネタにしていたので、オールオッケーか?忽那詩織演じるユキオがキュート。(唯一デップーと罵りあったりしないし)まあでも1のジャンルを超えた映画としての完成度と比べると、やはり2はマーベル作品の1つに留まっているとは感じたかなー。

 


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ワイルド・ギャンブル

(原題: Mississippi Grind / 2015年 / 109分 / アンナ・ボーデン、ライアン・フレック監督 / アメリカ)

これがねー、良いところもある映画なんだけど、正直言うと結構眠くなる作品なんだよね。まず、某サイトのあらすじなどにはライアン・レイノルズ主演と書かれているが、主演ではない。主人公のギャンブル狂ゲイリーを演じているベン・メンデルソーンとW主演が真実だ。1995年、良くても2005年の映画だろと思うようなテンポ感。ギャンブルシーンはもっと盛り上げられそうだが、そこまで大袈裟な演出にしないのがこの映画の美点ということなんだろう。ロードムービーものとしても、ブロマンスものとしても、ギャンブルものとしても南部ものとしても新しいものは何も無い。大金を前に200ドルだけ盗む若者は好きだった。「お金で自由になれると信じていたが本当はそうではなかったことがわかり更生する」男の物語としては教訓的かも。ある程度ギャンブルのルールや用語をわかってないと展開を理解できないような部分もあり、ラッキーを呼ぶ妖精役のライアン・レイノルズ目当てだとしてもおすすめし難い作品。ただ、この監督コンビ、この作風だと想像し難いが、後に「キャプテン・マーベル」を監督しているという…。

 

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グリーン・ランタン

(原題: Green Lantern / 2011年 / 114分 / マーティン・キャンベル監督 / アメリカ)

興行的にも失敗し、ライアン・レイノルズ自身も何度も本作への出演を自虐している悪名高いDC映画。かなーりハードルを下げてみたのだが、それでも確かに温度が低くて低音やけどしてしまうような作品。まず、冒頭5分のCGとキャラクター造形のダサさと古さに、「あれ?2011年ってこんなんだったっけ?」と同時期に公開された映画のことを考えて始めてしまう始末。CGの古さは30分もすれば目と頭が慣れるが、敵も弱いし、主人公の葛藤やキャラクターとしての濃度も薄い為、物語の盛り上がりやラストのカタルシスも少なく、印象に残らない作品だなと。設定や要素ごとの繋がりはよく見える瞬間もある為、きっと原作はもっと面白いんだと思う。全体的に魅力が足りないね…。ブレイク・ライブリーライアン・レイノルズはこの作品きっかけでカップルになったの?だとしてもこの出演をなかったことにしたいライアン・レイノルズのある意味での役者魂に拍手。

 

まだまだ鑑賞候補作はたくさんあるのだが、何しろ「ワイルド・ギャンブル」と「グリーン・ランタン」で受けた打撃が思ったより酷く、今回はここで終わりにしようと思う。また鑑賞作品が溜まったら書きます。

ライアン・レイノルズ、「辛い過去を持ちながらもユーモアや自虐を忘れない余裕のある男」みたいな役がハマるね。188cmの長身でガタイもいいが、顔は子犬っぽいからかなあ。