décadence dance

映画の感想や解説を主に、音楽や生活についても書きます。

docomoのプランを見直したら、昔憧れていたスターと交流できた話

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先日docomoの名義変更手続きを行った。中学生で電車通学になったのをきっかけに携帯を契約してもらってから23歳の今までずっと母親の名義で契約していた。以前からahamoにプラン変更したいと思っていたのだが、ahamoにするには契約の名義と支払いの名義が同じでないといけないとのことで先延ばしにしていた。GWに実家に帰った際に母親と私、共に少し時間があった為、*1 「いつか本気で向き合う必要があるが面倒すぎることランキング」上位のdocomoショップでの名義変更へ踏み切った。

かつて「いつか本気で向き合う必要があるが面倒すぎることランキング」トップを独走していたマイナンバーカードのおかげで名義変更は思ったよりもスムーズに進んだ。しかしここでdocomoショップの店員さんによる営業が長々と続くことは予想済みだ。私がahamoにしたいというと、今はahamoよりU30ロング割というものの方がお得だという。本当ですか?営業への不信感をあからさまに露呈してしまう私。詳しく話を聞くと確かに半年はahamoより安くなるようだった。しかし、半年後にまた自力でahamoに契約変更をしなければならないと思うと面倒に感じ、やはり初めからahamoにしておいた方が楽なのではないかと断ろうと思っていたのだが、ここでdocomoのお姉さんから衝撃の発言が。

「Disney +が半年無料ですよ」

私「えっっ!!じゃあお願いします!!!!(即答)」

以前からDisney+には興味があった。ディズニーのアニメやスター・ウォーズ、マーベルのみならず、かつてFOX傘下であった20世紀スタジオやサーチライト系の映画もあり、さらには小学生時代に熱狂していたディズニーチャンネルの実写系ドラマもあると小耳に挟んでいたからだ。仕事を終えた平日の夜、シットコムを観ながら何も考えず、懐かしい気持ちだけに浸りたいと思っていた。

その後もお姉さんの営業は続いたが、その他はすべて断り、プランをU30ロング割に変更、電話関連のオプション(メロディコールやキャッチホン、留守番電話、5分以内無料)も全て外してもらい、最後にDisney +の登録 *2 をしてもらって店舗を後にした。

家に着いてから、Disney +にどんな作品があるか眺めただけでも途轍もなく懐かしい気持ちに浸れた。「サブリナ」「レイブン」「ハンナ・モンタナ」「ウェイバリー通りのウィザードたち」…などなど、小学校4~6年生のころに同級生が日本のアニメや漫画にハマっていた一方で私だけが夢中になっていた実写ドラマたちがたくさんそこにはあった。これがまたいつでも好きな時間に観られるのか…と思うとわくわくが止まらなかった。

映画カテゴリーに移ると、ある映画が目に入ってきた。「スターにアイ・ラブ・ユー」(原題: StarStruck)だ。*3 めーちゃくちゃなつかしい!この映画はディズニーオリジナルの実写映画で、私が特に大好きだった作品だ。あらすじは、ティーンアイドルの主人公の男の子が自分に興味のない女の子に偶然出会い、恋に落ちる、と言ったまあ今考えると二次創作すれすれのような内容だ。しかし、どれくらい大好きだったのかを黒歴史公表形式で説明すると、①父親が管理しているVHSに勝手に録画し、隠れて所持、そして両親がいない夜に繰り返し観ていた。②サウンドトラックを(記憶にないが恐らく)母親に購入してもらい、放送部だった際にランチで全校に放送。*4 ③主役のスターリング・ナイトのファンコミュニティをアメーバで作成、管理していた。(既に削除)

主役のスターリング・ナイト(Sterling Knight)は本作の他にディズニーチャンネルの「サニーwithチャンス」でデミ・ロヴァートと恋仲になる役を演じており、そちらも大好きだった。ブロンドっぽい髪にすらっとした王子様のようなスタイルと青い透き通るような眼、そして見るもの全てを魅了するような笑顔に夢中だった。それに何と言ったって「スターリング・ナイト」という名前を世界一美しく思っていた。

StarStruckでのSterling Knight

10年ぶりに鑑賞した「スターにアイ・ラブ・ユー」だったが、思っていたより詳細を覚えており自分でも驚いた。海馬に焼き付くほどに繰り返し観ていたのだろう。しかし、今観てもスターリング・ナイトの王子様ぶりは素晴らしい。アコギで挿入歌の「Hero」を歌うシーン *5 なんて、それはそれはアイコニックで、10年経った今でもまた魅了されてしまった。だが、それと同時に、彼のことはこの作品以降観ることが無いことにも気が付いた。ディズニーチャンネル出身者はその後もキャリアを積んでいくことも多い *6 が、残念ながら脇役レベルの俳優たちはディズニーチャンネルでの出演がキャリアのピークでその後テレビや映画で見かけることは少ないのが現状だ。Sterling Knightと検索して調べてみると、確かにその後はあまり活動しておらず、英語版のWikipediaでは活動期間が2017年で終わっているような記載 *7 がある始末だ。もう俳優業はしていないのだろうか?と更に彼のことを調べてみた。YouTubeで検索すると、2020年のコロナの自粛期間に行われたらしきZoom配信ライブの動画がトップに出てきた。2010年の頃とはかなり見た目が変わっており驚いたが、歌声や笑顔などは変わっていない。むしろ地に足が着いたような謙虚な立ち振る舞いが大人っぽくなっており素敵だなと思った。

www.youtube.com

とにかく、全く活動していないわけでは無さそうで少し安心した。そして本人のInstagramも覗いてみるとbioに何か書いてあった。

Check out my Cameo profile to get videos for friends and family. Happy to make bad jokes, or talk about Sonny or Starstruck...ya know, whatever 😁

(日本語)

友達や家族への動画をゲットするには、私のCameoのプロフィールをチェックしてください。悪い冗談を言ったり、サニー(withチャンス)やStarstruckについて話したりするのが好き…😁

私「Cameoとは????」

Cameoについて調べると、Cameoはアメリカ発のサービスで、有名人に規定の料金を支払うと、その有名人から直接自分宛のオリジナル動画が届くというプラットフォームらしい。コロナ禍で需要を伸ばしたようで、最近日本にも進出した。有名人と言ってもそこまでの大物はおらず、「あの人は今」みたいな昔流行ったドラマの出演者や、スポーツ選手、America's God Talentの出場者などが多い。動画の内容は自由にリクエストできるが、友達や家族へのバースデーサプライズ動画の依頼が一番多いようだ。金額はセレブがそれぞれ自分で設定できるようで、3000円ほどから依頼できる人から10万円近くする人 *8 などピンキリだ。ちなみに一番人気はThe Officeでケヴィンを演じたブライアン・バウムガートナーらしく、料金は225ドル、日本円で3万円ほど。

スターリングも「あの人は今」枠なのか、Cameoをしており、プロフィールへ飛んだところ料金は8000円ほどだった。社会人になった今、払えない金額ではない。プロフィールでは動画のサンプルも見ることができ、拝見するとなんと弾き語りでStarStruckのHeroを歌ったりしているではないか!これはとても素敵なサービスだなと確信した。かつて大好きだったスターに自分の名前を呼んでもらった上に歌まで歌ってもらえる。つくづくすごい時代だ。私が小学校の頃は下手な英語を駆使し、国際郵便でファンレターを送っていたのに。*9 すぐに依頼してみたいと思ったが、今の私は誕生日も近くないし、Cameoを依頼する口実がない。数日はサンプルを眺めるだけで満足していた。しかし、3回目のワクチン接種の副作用で苦しんでいたある日、何の気の迷いなのか私の誕生日(9月)までに何があるかわからないし、物は試しだ!と一度申し込んでみることにした。

申し込みはアプリから簡単にできる。性別や用途などを選択した上で、200 words以内のメッセージを送り、料金がアップル経由でdepositされる。1週間以内にリクエストが達成されない(セレブが動画を送らない)場合はアプリ内のクレジットとして返金される仕組みだ。*10

自分の誕生日も近くないし、何の記念日でもない為、英語のメッセージには日本のファンであること、年齢、職業を含めた簡単な自己紹介を書き、動画のリクエストは毎日起き上がって仕事へ行くためのモチベーションになるような言葉をもらえると嬉しいと送った。なんと厚かましいリクエストなのかと、今となっては思うのだが、簡単に「今日も無理せず頑張って!」くらいの動画をもらえたら毎朝それを見て元気を出したいなと想像していた。

リクエストを送ってからしばらくは頭の中がCameoとスターリングでいっぱいになった。どんな動画がいつ届くのか気になって気になって仕方がなかった。2日くらい経った時、まだリクエストが完了されていないのをアプリ内で確認し、ああ、もしかすると忙しくてリクエストがexpireするかもしれないなと思った。Twitterで海外のCameo利用者の声を調べてみるとexpireすることも珍しくないらしい。

5日目くらいだろうか、スターリングのプロフィールを見ると「受付停止」状態になっていた。仕事で忙しいのだろうか、それとも旅行に出かけていて動画を撮れる環境じゃないだろうか。私のCameoが届く可能性は低そうだなと判断した。しかし少なくとも彼がCameoを確認していることがわかったので、少し嬉しかった。

半分諦めモードになりつつも、しばらくは彼の出演作品を色々観ていた。彼が主演しているジョージア映画「デッド・オア・リベンジ」は「ファニー・ゲーム」を彷彿とさせるようなストーリー展開でなかなかの掘り出し物なので後味悪い映画ウォッチャーの方にはお勧めしたい。

そして1週間が経ち、ついに時間単位でのカウントダウンがCameoアプリ上でも始まった。深夜に目覚めた際にもCameoを見ては、ああもうexpireしてしまうのだろうな、8000円がアプリ内のクレジットになったらどうしようかなどと考えていた。期限切れになる日は土曜日だったので、朝から家で映画を2本見て、気づいたら昼寝していた。16時ごろに目が覚めると、iPhoneにある通知が来ていた。

「Sterling KnightにあなたがリクエストしたCameoが完成しました!」

ええええ!?!?時差は!?時差的にこの時間ってあり得るの!?

そう、ここ1週間私はアメリカと日本の時差を凝視していたのだ。恐らく西海岸か実家のあるテキサスに住んでいると思われ、そことの時差を考えると日本時間の午前中に届く可能性が高いかなと考えていた。そのため15時ごろに動画が届いているのを見てとても驚いた。

さっそくCameoのアプリで動画を再生した。すると「Hey 〇〇(私の名前)」から始まるそれはそれは素晴らしい動画だった。まず、私の名前を正確に発音してくれているだけでニヤニヤが止まらない。それに私の仕事へのモチベーションになるようなメッセージという無茶ぶりにも、自分の経験談や私の仕事に関する具体的なアドバイスも含めつつ、親身になって話をしてくれていた。私の仕事内容をきちんと想像して話してくれたことがとても嬉しかった。優しさとは想像力の賜物だ。

5分にもなる動画では他にも、今でも演技の仕事を続けたいと思っていること(私がメッセージで聞いたわけではないが教えてくれた!)、海兵隊のお父様が沖縄に駐留していたことがあり、日本へ近々行こうと思っていること、ナルトや進撃の巨人が好きなことなど彼のSNSからは知ることのできないパーソナルな話もしてくれた。なんてオープンマインドでファンにも優しい人なんだと感動し、さらに好きになってしまった。感情が昂って、すぐに自分のInstagramのストーリーズにタグ付けして冒頭5秒ほどの動画を載せたところ、本人が閲覧してくれた!日本のファンとして認識してもらえただろうか。

それからというもの、毎朝その動画を見てはニヤニヤし、労働の活力にしている。小学生の頃に憧れていたスターが限りある人生のうちの5分間も自分に時間を割いてくれたなんて…!生きていると、想像すらしないような出来事が起こるものなんだととても感銘を受けた。それに、なんだか大げさに聞こえるかもしれないが、生きる希望にもなった。英語以外特技のない自分が、その特技を駆使して憧れのスターと直接交流できたことによって、大したことはないと自虐していたこれまでの努力らしいそれも少し報われた気がしたからだ。

(ここまで読んでくれた方のために冒頭5秒をシェアします!)

youtube.com

他にもいろんなセレブがCameoに登録しているので、一度チェックしてみても楽しいかもしれない。

www.cameo.com

*1:docomoショップに電話をして尋ねたところ、現在の名義の人と新しく契約したい名義の人、両人が一緒に行くのが一番スムーズとのことだった。これは私の家庭環境も少なからず影響しており、母親と私の現在の戸籍が別で住所も異なること、また、私の携帯を契約してくれた時から、母親が下の名前を法的に変更しているという特殊境遇も素晴らしく作用している

*2:もしかするとUロング30割じゃなくても今ドコモでプラン変更するだけで半年Disney +が無料になるのかもしれない

*3:とんでもなくダサい邦題だが、原題”StarStruck”を訳すと「スターに夢中」といったところか

*4:他の子は嵐やAKB48を放送していた中、誰も知らない映画のサントラを流すなんて今考えてもどうかしている

*5:実際のサントラでは彼は歌っておらず、Drew Ryan Scottという別人の声らしいが…

Sterling Knight Addresses Rumors that he didn’t sing in Disney's “StarStruck” | Chip and Company

*6:マイリー・サイラス、セレーナ・ゴメス、先述のデミ・ロヴァート、など。その他俳優のザック・エフロンゼンデイヤも一線で活躍している

*7:2022年6月現在は 2005-present に更新されている

*8:私が見た中で一番高かったのはマルフォイ役のトム・フェルトン

*9:ロス・リンチから印刷のサイン付きポートレートが返ってきたことがある

*10:web版から申し込むとちゃんとカードに返金されるので、web版での申し込みをおすすめする。私は後からその仕組みを知ったため、もしリクエストがcompleteされなかったらずっとアタックし続けるしかないじゃんか…と謎の覚悟を強いられた